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carpenter
みなさんは”大工の棟梁”と聞いてどんな方を想像しますか?

昔気質で気難しく、信じるのは己の腕のみ、プロジェクトマネジメントという言葉とは無縁というイメージを持たれる方もいるかもしれせん。

私も失礼ながらそういうイメージを多少持っていたのですが、この本を読んで考えが一変しました。現代多くのビジネスパーソンが抱えるプロジェクトマネジメントの悩みは、とっくの昔に大工の棟梁によって解決されていたのです。

今回は白鳥美子氏による著書「大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメント」の中から、そのポイントをご紹介します。

目次


序 章 プロジェクトの基本とは
第一章 強いチームづくりに役立つ、棟梁の経験則
第二章 全体を見通す、棟梁のプロジェクト管理
第三章 相手を信じる! 棟梁のリーダーシップ
第四章 リスクを恐れない! 棟梁のマネジメント
第五章 チームの力を引き出す、棟梁の人心掌握術
第六章 棟梁の仕事が教えてくれること


概要


大工の棟梁の仕切り、チームづくり、仕事の進め方、納期管理、リーダーシップ、人心掌握術…職人の知恵にこそ、問題解決の手がかりがある!一流の職人が持つ自らの経験に裏打ちされた哲学を学び、ビジネスの現場で役立てましょう。


棟梁に学ぶ3つのポイント


1. どんなメンバーが来ても動じない

家づくりの現場では、日によって作業メンバーが入れ替わります。しっかりメンバーとコミュニケーションを取りながら作業をする人もいれば、一言も話さないでもくもくと作業をする人も。そういった中、棟梁はどのような工夫をしているのでしょうか?

あんなぁ、それは、完成後のイメージを持つっていうことよ。どんな家族がどんな家に住みたいと思ってんのか、どんな暮らしを求めているのか。それについては、みんなが同じイメージを持たなくっちゃ作業は始まらんねえ。

ビジネスの現場において「ゴールイメージの共有」というのは、意外とできていないのではないでしょうか。キックオフ時にはもちろん、ことあるごとにゴールイメージを共有することができれば、メンバーの迷いがなくなり、足並みを揃えてゴールに向けて前進していくことができます。

同じイメージを持てたらその上で、お前の仕事はいついつまでに、これを完成させることだって言ってやるんだよ。気の利く人間ならそれだけですぐに動いてくれるってなもんよ

イメージが共有できたらあれこれ細かい指図はせず、任せる。ただそうは言っても、まだ良く知らないメンバーがちゃんと仕事をこなしてくれるのか、不安に思うこともあるでしょう。

まずは、頭っから信用するんだよ。同じ目的を持ってプロとして集まってくれたんだから、最初はこっちが『よろしくな』って言ってやればいいってなもんよ

「まずは信じる」これは非常に重要なポイントだと思いますが、なかなか難しいことでもあります。信じた結果、うまくいかないこともあるでしょう。そういった場合はどうすればいいのでしょうか。

あれ、おかしいかなって思ったら、自分の話がうまくないせいで、やってほしいことが伝わってないのかなって反省するね

決して他人の責任にするのではなく、自分に問題がないか省みて改善する。本当に頭が下がります。

この言葉を見て、デール・カーネギー「人を動かす」に書かれている言葉を思い出しました。

人を非難するかわりに、相手を理解するように努めようではないか。どういうわけで、相手がそんなことをしでかすに至ったか、よく考えてみようではないか。



2. 文句に感謝する

プロジェクトを進行させていく中で、メンバーから不平不満を言われることも時にはあるでしょう。そういった場合は、どう対処するのが良いのでしょうか。

あんなぁ、文句ばっかり言ってくるやつにも、そんなふうに考えてたのか、教えてくれてありがとよ、ってこう言うんだ

文句に対して感謝する。ついつい感情的になってしまいがちな場面ではありますが、そこはグッとこらえて受け止めるのです。

むっつり黙って不満そうにしているやつには、いろいろ話を投げかけて、とにかく思ってることを話させる。それで、聞けたらやっぱりありがとよって言うんだよ。おかげで、助かった。いいことが聞けて、ありがたいことだって

文句であったとしても、まだ口に出して言ってくれるだけマシです。問題なのは何も口に出さずに黙っている人。そういった人に対してはとにかく話を振って聞き手に回ることが重要だということですね。そしてここでも感謝を忘れない。

PMがそういった姿勢でいると、話しやすい雰囲気ができてコミュニケーションが活発になり、話す側も自分勝手な意見を言うだけでなく「チームのために何を言うべきか」ということを考え始めるでしょう。

聞き手に回るというのは何においても大事ですよね、ここでも「人を動かす」で紹介されていた内容を思い出しました。

どんな褒め言葉に惑わされない人間でも、自分の話に心を奪われた聴き手には惑わされる



3. 変更することを嫌がらない

「仕様変更」という言葉に対してネガティブなイメージを持っているPMの方は多いのではないでしょうか。実は家づくりの現場においても、途中で間取りプランが変更になるというようなことはしょっちゅうあるそうです。ではその変更依頼はどの段階まで受けるべきなのでしょうか。

あんなぁ、それは、可能な限り、いつまでもだよ。で、変更は、言われたらすぐにやるってのも大事なことだね

しかし、頻繁に変更があるとたまったものではありません。それにゴールがあやふやになってしまいます。

大工ってのは、最初に頼まれた設計図通りの家が最終ゴールだなんて、はなっから考えてないわけよ。お施主さんが欲しがっている、満足できる家が最終目的なの。だから間取りを変えたり窓の大きさを変えたりするのは、ゴールの変更じゃなくて、よりよいゴールのために計画をちょっと見直すってことと同じなんじゃないのかなぁ

耳が痛い話なのですが、「最初の仕様通りに作ったものがゴールではない」確かにこれは言われてみれば当たり前のことです。ただ、どうしても変更を断らないといけないときもあります。

それは、最初に取り決めた予算を超えそうなとき、最初に取り決めた期間に納まらないとき、頼まれた内容について決定権者の同意がないとき、この三つだね

このような場合は、はっきりとNOを言う。もちろん納期や予算の都合がつけば対応します。このルールを徹底した上で、本当のゴールを見失わずに変更にも柔軟に対応していく。それがプロフェッショナルなのでしょう。


これらの他にも、ビジネスの現場で使える貴重な知恵がたくさん詰め込まれています。読みやすく実践での活用方法もイメージしやすいので、新米PMの方は難しいプロジェクトマネジメントの理論を学ぶよりも先に、こちらの本を読むことをおすすめします。

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