大学生の宿題実験に学ぶ「計画的に物事を進めるためのシンプルな3つの仕掛け」
11/08/11
夏休み!海だ!花火だ!さぁどこに遊びに行こう!?
しかし学生の皆さんには「宿題」という大きな荷物が重くのしかかってきます。
浮かれて遊んでいるとあっという間に夏休みも終わりが間近、でも宿題は全然できていない。
そんな状況を経験した方は多いのではないでしょうか。
やっかいな事はついつい先延ばしにしてしまいがちです。
この「やっかいな事は先延ばし」というのは学生だけでなく、社会人となってからも大きな問題となって私達を悩ませます。
今回は「予想どおりに不合理」という書籍の中で紹介されている実験を元に、どのようにすれば先延ばしにしないで宿題や仕事などを進めることができるのか、という事を考えたいと思います。
実験内容
ある大学教授が学期(全12週)の始めに、学生に3つのレポートの提出を求めた。
この3つのレポートが、その学期の最終的な成績を左右する。
教授は3つのクラスにそれぞれ異なった締切を設けた。
・クラスA
3つのレポートは学期の最終日までに提出すれば良い。
早く提出してもいいが、成績には何の関係も及ぼさない。
・クラスB
3つのレポートの締切を、それぞれいつにするか学生に宣言してもらう。
宣言した日より遅れたらペナルティとして成績が減点される。
・クラスC
教授が3つのレポートの締め切りをあらかじめ設定した。遅れた場合は減点となる。
例)
1つ目のレポートは第4週まで
2つ目のレポートは第8週まで
3つ目のレポートは第12週まで
結果
最終日にさえ間に合えば良いというクラスAは一番成績が悪かった。
そして、教授が締切日を設定したクラスがC一番成績が良かった。
自分で締切を設定したクラスBは惜しくもクラスCの成績には届かなかった。
考察
教授に締切を決めてもらったら一番成績が良い、だから何事も先生や上司に決めてもらえばいい。というのはちょっと短絡的です。
ポイントはクラスBも、クラスCに近い点数を取っていたということ。
クラスBのほとんどの学生は3つのレポート締切を適度な間隔で設定していたのですが、一部の学生がすべての締切を最終日に設定して結局提出できなかったという事もあり、クラスの平均点を下げる結果となりました。
つまりほとんどの場合、自分で適切な締切を設定して宣言すれば、先延ばしせずにうまく物事を運べるということです。他人に締切を設定されるより、自分で設定した方がモチベーションも上がるので、できるだけ自ら決めるようにしたいですね。
先延ばしを防ぐ3つのポイント
1.自分の弱点を知る
「自分は先延ばしをしてしまいがちだ」というのをしっかり自覚しておくこと。
自覚していないと、クラスBの一部の生徒のように、ついつい目標設定が甘くなってしまいます。
2.目標設定は細かく
先延ばしを防ぐには、いくつも締切を設けること。
クラスCの実験では12週間の間に3つの締切を設けましたが、自分が最も効果を出せる間隔を考えながら設定しましょう。
3.目標を宣言する
自分だけしか知らない目標だと、「別に守らなくてもいっか」となってしまいます。
できるだけ大勢の前で、プレッシャーのかかる状況に持ち込んで目標を宣言することが、自分に行動を起こさせるための大きな鍵となります。
注意すべき3つのポイント
上記のポイントだけでもいいのですが、本田直之さんの「なまけもののあなたがうまくいく57の法則」の中に気になる記述があったので紹介します。
1.動機づけは外部から持ってこない
「あれしなさい、これしなさい」と言われてスタートすると、いくら先延ばしを防ぐ工夫をしても効果は薄くなります。できるだけ、「これをするんだ!」という自ら湧き上がる動機を持つこと。
宿題であったとしても、やらされていると感じるのと、「○○のために、これをやるんだ」と思うのとでは、モチベーションが違ってきます。
2.ペナルティは自分で設定しない
目標が達成できなかった場合に、自分でなんらかのペナルティを設定する方もいらっしゃいますが、注意が必要です。なんせ、目標が達成できないくらいなので、自分が設定したペナルティなんかもできないことが多いのです。
実験のように外部(教授)からペナルティを課せられる場合は、時に有効に働くこともあります。
3.無理をしない
慣れないうちは目標設定の感覚がわからず、つらい思いもするかと思います。疲れた時にはしっかり休むこと、疲れたままやっても効果は上がりません。休む事も仕事と考えて、無理をせずに続けましょう。
いかがでしたでしょうか、ぜひこれらの書籍を活用して夏休みを満喫しましょう!
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