• このエントリーをはてなブックマークに追加

本棚の写真のサムネイル画像
IT業界に生きる身として、ITツールを使う事は仕事上ではもちろん重要ですが、プライベートでも欠かせないものになっています。


手帳は持たず、スケジュール管理はGoogleカレンダー
メモ帳代わりにiPhoneを利用
セミナーへはノートの代わりにMacを持っていき
家計簿はココマネを使ってオンライン上で管理
音楽CDは買わずにデータでiTunesに保管


情報をできるだけデータ化して管理することで、生活は便利かつシンプルになっていきました。

そんな私が、どうしてもデータ化したくないもの、それは「本」です。


ここ数年電子書籍の普及も少しずつ進み、iPadやKindleなどで本を読むことも特別なことではなくなってきました。
今持っている本を電子化してくれる業者は色々ありますし、自分自身でデータ化(自炊)する人も増えてきています。

そんな時代の流れからか、たくさん本を抱えている私を見て、周りから「そんなに本があるんだったら電子化したらどう?」とよく言われます。
しかし私は全くそのような気になれないのです。



レバレッジ・リーディング に出会ったのが2007年、それをきっけに5年ほどでビジネス書を中心に約1000冊の本を購入し、上記の写真のような状態になっっています。
これだけあると管理に手間がかかりますが、それでも私は本だけは電子化したくないのです。


紙の本の良い点は何でしょうか。

まずは「流し読みがしやすい」ということ。
パラパラとページをめくりながら流し読みをするには紙が最適です。
データでも画面スクロールしながらできなくはないですが、操作感や視認性は良いとはいえません。

そしていつでもどこでもすぐに見れること。
ベッドで寝ながらだろうがお風呂につかりながらだろうが、ページを開けば好きなように読めます。
iPadでもできなくはないですが、本体を起動して本を探してというのが一手間かかりますし、お風呂に持ち込むなら防水方法を考えねばならず、ちょっと面倒です。


一方、紙の悪い点は何といっても「検索しにくい」という事でしょう。
「あれってどの本に書いてあったっけ?」
となった場合はGoogleに頼らず自分で探しださなければなりません。


持ち運びが不便というのもありますよね。
データだと何百冊持って行こうが重さは変わりません。


その他にも、紙の本の良い点・悪い点はあるかと思います。
人によって感じ方も違うでしょう。

でも私はそんな事よりも一番重要だと感じている事。



それは「モノがそこにある」という事実。



モノがそこにあるというだけで「存在感」が生まれます。
電子データも確かに「見える」のには変わりがありませんが、存在感で言うと実物に比べて圧倒的に薄い。
3次元と2次元の間では、文字通り大きな隔たりがあるのです。

では、存在感があると何が嬉しいのか。


本棚を眺めると、本の内容とともに自分の歴史が思い出されます。

仕事に悩んでいた頃、転職本を読み漁ったなぁ
コミュニケーションがうまくいかなくて、この本を読みながら試行錯誤したっけ
このプレゼン本は今でも色褪せない、バイブルだ
あの頃はこんな当たり前の事が書いてある本を読んで衝撃を受けていたんだ

本棚をちらっと見るだけで、過去の出来事が次々と思い出されます。
自分の成長の歴史を振り返り、そして次へ活かしていくのです。


さらに、何気なく本棚を眺めていると、ごくたまにびっくりするようなひらめきが生まれることがあります。
200冊を超えたあたりから経験するようになったのですが、全然違うテーマの2冊の本の共通点を発見したり、本に書かれていた事のさらに先のアイデアを思いついたり、とにかく頭の中に電流が走ったかのような感覚を感じます。

本棚を眺め、様々な本の内容を思い出して頭の中で交錯されることにより、突然アイデアが降ってくるのです。
これは説明が難しいのですが、「モノ」として感じられない電子データでは起こりえない現象だと思っています。



データより実物が良いというのは、本に限ったことではないでしょう。
例えば好きなミュージシャンがいれば、iTunesでデータだけ買うのではなくCDを買って眺めたりしたいですよね。
ミュージシャンを身近に感じるには、データだけでは不十分なのです。

でもこの感覚は当たり前ですが人によって異なります。
私はCDを買いませんし、本にしても5年前の自分ではその感覚は分からなかったでしょう。

だから必ずしも本は紙じゃないといけないと、言うつもりはありません。
ただ、自分は紙じゃないと嫌だという事です。



もし、テクノロジーの進歩によって何もない空間にあたかも本があるかのように感じ、簡単にアクセスもできるという夢のような事ができるようになれば、私の考えは変わるかもしれません。

何十年かかるかわかりませんが、それまでの間私は相変わらず大量の本で埋めつくされた本棚を見ながら、保管場所に頭を悩ませる日々を過ごしていきます。

無料メルマガ登録 - ブログ更新情報・おすすめ書籍をご案内

Related Article

  1. コメントはありません。

  1. トラックバックはありません。

Author


about Mharu
follow us in feedly

どんな本を読めばいいか分からないというあなたへ