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毎日のように次々と起こる問題に、悩まされていませんか?

「自分が将来何をやりたいのか分からない」「結婚のタイミングが分からない」「運動不足ですぐ疲れる」といった個人的な問題や、「上司から無理難題を突きつけられる」「部下に指示がうまく伝わらない」「仕事の納期が守れない」といった仕事上の問題まで、私たちは多くの問題に直面しながら生きています。

しかし、それらの問題を解決する方法について、きっちり学んだ事のある人は少ないのではないでしょうか。私自身、問題解決能力とは無縁の人間だったのですが、なんとか問題を解決したいと思い、様々な本を読み漁り、その中からとても分かりやすくてためになる本を見つけ出しました。

「問題解決」と聞くと、難しそう、ややこしい、とっつきにくいといった事を思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも今回紹介する本を読むと、問題解決がもっと身近で手軽なものだという事が分かると思います。

問題解決に苦手意識を持っている方に、一度ご覧になっていただけると幸いです。


いちばんシンプルな問題解決の方法



【概要】

問題が解決しない理由は、本当の問題を見つけないままに解決策を作成したり、問題の全体像を把握しないままに解決策を作ってしまうためである。
全体像を把握した上で解決策を見つけるためには、面倒な作業や複雑な理論は不要である。
たった2つの質問を覚えて使う、それだけで問題解決できるのだ。

【ポイント】

この本で紹介しているテクニックは「2つの質問をする」たったこれだけです。

1.その原因を1つあげてください(タテの質問)

問題に対する原因を、解決策が見えるまで掘り下げていきます。

2.その原因が解決できると、この問題はすべて解決できますか?(ヨコの質問)

タテの質問で解決策が見つかったら、他の原因を探すためにヨコの質問をする。
原因を8割方網羅できたらヨコの質問を終了する。

この2つの質問を使う事で、全体像を把握でき、解決策も見つかるのです。

【実行例】

試しに、私自身の「ジョギングが続かない」という問題を例に挙げてみます。
まずタテへ掘り下げると、ジョギングが続かない原因の一つに「モチベーションが続かない」というものがあります。モチベーションが続かない原因は、「ジョギングのメリットが曖昧」であり、その原因は「知識不足」です。
ここまで掘り下げると解決策が見えてきたので、ヨコへ展開します。他の原因は「走っても気持ちが良くない」というのがあり、それは「ランニングマシーンだと単調になる」事が原因です。
さらにヨコに広げると「達成感がない」のも原因で、それは「記録をつけていない」事が原因でした。

そして下記のような取り組みを行いました。

・NIKEスポーツバンドを使って、自動的に走行記録がWEB上に保存されるようにする
・マラソン大会にエントリーして目標を作り、記録も保管しておく
・ジムで走るのをやめ、河川敷を走る
・金哲彦さんの「体幹ランニング」を読んで、走り方、走るメリット、ストレッチの方法を学ぶ
・Googleカレンダーに走る予定を入れておき、あらかじめ時間を確保しておく

【オススメ理由】


難しい言葉や複雑な理論は一切なく、中学生でも理解できる内容です。それでいてとても有用かつ汎用性もあり、初心者向けの参考書としては最適だと思います。
本書で紹介している「タテ×ヨコの問題解決法」を使えば、たいていの問題は解決してしまうのではないでしょうか。
職業や年齢を問わず幅広い層にオススメできる本です。


世界一やさしい問題解決の授業




【概要】

どんなに大きく複雑に見える問題でも、いくつかの小さな問題に分解すれば解ける。一度そのことに気づけば自信がつくし、前向きになるし、精神的にも余裕ができる。そして、自ら考え、決断をし、行動することの楽しさを知り、人生を切り開くために必要な癖が身につく。
自分の力で人生を切り開く人になるために、問題解決の思考法を楽しく学ぼう。

【ポイント】

・お医者さんのように診断し、治し方を考える

日常生活の中で問題が起きたり、夢や目標を達成する途中で壁にぶつかったりした時には、いったん冷静になって、問題のもとは何なのかを考えてみよう。
問題の本質を見極めることができれば、必ず壁を打ち破る方法も考え出せるはずである。
お医者さんのように、まずは問題の原因は何かを診断し(原因を見極める)、適切な治し方を考え出す(効果のある打ち手を考える)と良い。

・ひとつの大きな夢を、いくつかの小さな目標に置き換える

ひとつの大きな夢を成し遂げるには、長期的な目標と短期的な目標を同時に立てていく事が必要。
この数年どうするか、この数カ月どうするか、今日どうするか、というように、より具体的な目標を立てて達成する方法を考え、行動するのだ。

・プランを立てたらあとは実行するだけ、でもそれが大事

目標を達成できるかどうかは「よいプランを立てる」×「しっかり実行する」という掛け算で決まってくる。
よいプランがあっても、実行しなければダメだし、見当違いなプランでは、いくら一生懸命実行しても目標は達成できない。
いろんな分析をしたのも、解決策を考えたのも、すべては目標を達成するため。解決策をひとつひとつ行動に落とし込んで、いつやるか、日付を入れていこう。

【実行例】

買い物をする際に、同じような種類の物がたくさんあってなかなか一つに決められない時はありませんか?
そんな時は、本書で紹介されている意思決定ツールの「評価軸×評価」リストが役立ちます。
ここでは、自動掃除機ルンバを購入する際の例を挙げてみます。



値段は安い方がもちろん良いのですが、それよりも「自動充電機能」「スケジュール機能」の方が重要度が高かったので、結果的に「ルンバ560」を購入しました。


【オススメ理由】

イラストが用いられていて視覚的に分かりやすく、ページも100ページとボリュームも小さいので、まさに入門書として最適です。
中学生バンドが観客を集めるために問題を解決したり、子供がパソコンを買うための資金集めに挑戦したりと、ストーリー仕立てになっていて理解もしやすいです。


3分でわかる問題解決の基本




【概要】

問題解決力を身につければ、根本原因に最短で到達できる、最良の打ち手を見つけられる、未経験の分野でも目標を達成できる。
結果を出すための問題解決のエッセンスを、戦略コンサルタントの筆者が1項目3分でわかるように解説する。

【ポイント】

・最初からアイデアを出してはいけない

原因も分からずにアイデア出しをしたところで、問題は解決できない。
問題解決のための議論では解決アイデアを出していくのではなく、まず疑わしき原因について考えられるものをできるだけ出してみる。
そしてそれらを整理・分析して、本当の原因をつきとめる。そうする事によって正しい対処ができるのである。

・「問題」と「現象」を区別する

現象を指摘して、それは問題であると捉える人が非常に多い。例えば、過疎や地球温暖化は単なる現象であるにも関わらず問題と認識してしまいがちだ。過疎により村が消滅してしまい、その地域の文化や伝統が消滅してしまうという事が問題だと、一歩踏み込んで考える必要がある。

・回収不可能なコストはなかったものとして考える

急ごうと思って高速道路にのったところ、凄まじい渋滞に巻き込まれてしまった。高速道路を降りて一般道で行った方が早い場合は、代金を払った事は忘れて降りるべき。降りずにそのまま行く、降りるというどちらの未来を選択しても、すでに支払った代金は戻ってこないので、早く到着する方を選ぶのが正解である。


【実行例】

サンクコスト(埋没費用)の考え方を日常生活に活かす例を紹介します。サンクコストの概念は「どうやっても回収できないものは、もはや最初からないものと捉える」という事です。
買い物をした後に「買わなきゃよかった」と後悔した事は、誰しも経験があると思います。
本であれ、ゲームであれ、DVDであれ、もしそのような事になってしまった場合は、それに時間を使うのをやめ、さっさと別の事をします。
「せっかくお金を払って買ったのだから、何もしないのはもったいない」という考え方は捨て、もう支払ったお金は戻ってこないので、お金を抜きにして今自分がやりたい事に時間を使うのです。


【オススメ理由】

最初に紹介した2冊を読んで問題解決に興味を持ったら、他の手法についてもっと学びたいと思うかもしれません。
本書では、ロジックツリー・MECE・プロコンチャート・パレート分析など、問題解決をしていく上でよく目にするツールや考え方などが、それぞれ3分で理解できるように構成されています。これらをひと通り試せば、知識の幅が広がり、さらに問題解決の能力に磨きがかかるでしょう。

マインドマップ

送信者 Mharuマインドマップ


【総評】

問題解決のテクニックは、仕事だけでなく日常のあらゆる場面で使う事ができ、大きな成果を上げる事ができます。今回紹介した3冊を参考に、まずは日常の小さな問題から試しに解決してみてはいかがでしょうか
ただ、何事も論理的に考え、合理的に動けばいいというものではないと思っています。
非論理的で、不合理な行動がイノベーションを起こす事もあるからです。
問題解決の考え方は意思決定の「補助ツール」としてとらえ、頼りすぎないでおこうと思います。

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  1. こんにちは、「Leader’s×Reader’s」運営事務局の鈴木と申します。
    まずは、突然このような形でコメント欄に書き込みを
    させていただきました失礼をお許しください。
    実は先日オープンした「Leader’s×Reader’s」というサイトに
    ご登録いただけるブロガーさんを探しています。
    http://www.ls-rs.com/
    「Leader’s×Reader’s」は、著者と読者をつなぐポータルサイトです。
    登録者にはベストセラー作家が多数います。
    このたび書評をブログに書いてる方々も参加して頂き、真の意味での著者と読者をつなぐポータルサイトを目指しています。
    今回、様々な書籍をテーマにブログを書いていらっしゃるブログを拝見し、ぜひご協力をお願いしたいと思い、
    誠に勝手ながらお声を掛けさせていただきました。
    もしよろしければ一度、サイトをご覧頂きまして登録頂ければ幸いです。
    Leader’s×Reader’s
    http://www.ls-rs.com/
    ご不明な点等がありましたら遠慮なくお問合わせください。
    Leader’s×Reader’s運営事務局
    鈴木
    contact@ls-rs.com

  2. 始めまして。東京でIT系サービス会社に勤めるナカジンと言います。
    マインドマップの活用ぶりに驚きました。私も見習ってツールを導入してみようと思います。
    また、問題解決で言えば『pyramid principle』が大好きですが、『一番シンプルな問題解決の方法』はこの考え方を簡単に解説した良書だと思います。
    今日始めてこのブログを発見しましたが、早速readerに登録させて頂きました。
    これからも更新頑張ってください☆

    • Mharu
    • 2011年 3月 19日

    ナカジンさん、コメントありがとうございます。
    マインドマップは本当に便利です、ぜひご活用ください。
    これからも頻度は少なめですが、コツコツ更新していきますので、よろしくお願いします。
    またコメントお待ちしています!

  3. Mharuさん
    お返事ありがとうございます。
    いちコメントに返信してくれるなんて感動です。
    これからも宜しくお願いします。
    私はITに少しばかり詳しい身として、便利なアイデアやツールの使い方を紹介するブログをやっております。良かったらのぞきに来てくださいね。

    • Mharu
    • 2011年 3月 19日

    ナカジンさん
    私もITエンジニアで、かなりツールにはうるさいです^^
    ブログRSS登録させていただきました、楽しみにしております。

  4. ブログのタイトルから、きっとIT系なんだろうなと思いました。w
    RSS登録ありがとうございました!
    メールも送らせて頂きましたので、お手すきの時にご覧ください☆
    更新楽しみにしています。

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