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My Messy Room
My Messy Room / allyaubry


皆さんの身の回りにはどれくらいのモノがありますか?

「とても片付いていて、無駄なものなんかないよ」という方もいらっしゃるかもしれません。
100万部を超えるベストセラーとなって話題になった「人生がときめく片づけの魔法 」に影響されて、片付けに目覚められた方もいるかも知れません。

しかし、「片付けしてはみるものの、3日坊主になりがち。」または「そもそもモノを捨てるなんてもったいない」という方も多いかと思います。

今回はそんな人達の心を揺さぶるかもしれない、3つのフレーズをご紹介します。



Less stuff, more happiness




「モノは少なく、幸せは多く」、グラハム・ヒルのTEDでのプレゼンです。
アメリカ人の一般家庭には、50年前と比べて約3倍ものスペースがあリます。
こんなにスペースが増えたなら、家の中には場所が有り余っていると思われるでしょう。
しかし、実際はそうではありません。

現に、220億ドルにも及ぶ貸し倉庫産業が誕生し、人々の有り余ったモノを格納しています。
スペースがあればある分だけ、モノを買ってしまう。それが人間の性質というものです。

モノが増える事が幸せにつながればいいのですが、なんとアメリカ人の幸福度は50年間横ばい。
ローンを組んでまでモノを買い漁っている状況では、幸福度が上がらないのにも納得できます。

6分程度の動画ですが、あなたのモノに対する価値観を変えるかもしれません。ぜひご視聴ください。



LESS IS MORE



「より少ないことは、より豊かなことだ」、本田直之氏の著書のタイトルですが、元々はドイツの建築家ミース・ファン・デル・ローエの言葉です。
モノやお金に振り回されるのではなく、精神的・体験的なものに重きを置く。
見た目は質素でも、そのほうが実は豊かなのだという考え方です。

物質的に豊かなはずの日本やアメリカの幸福度が低いのに対し、モノやお金に執着がない北欧の人々の幸福度は高い。
そのことからも、「モノがある=幸せ」というのが必ず成り立つわけではないということが分かります。

物質至上主義とは、言い換えるならば、車や家をはじめモノや場所など、様々な制約に縛られて生きること。
そこから解放されることで、幸せをつかむための一歩を踏み出せるのです。

北欧諸国の人々の考え方はとても新鮮、日本にいるとなかなか出会えない価値観に本書を通じて出会うことができます。
新たな幸せの定義を感じ取れる、おすすめの一冊です。



SIMPLE LIVING



「シンプルに生きれば、すべてがうまくいく」、西村豪庸氏の著書のタイトルです。
お金が増えると「楽しい」は増えるが、「幸せになる」とは限らない。
これは本当に的を射た言葉だと思います。

お金があると「選択肢」が増えます。
例えばいつも電車で通勤していたのを、タクシー通勤に変える事ができる。
他にも国内旅行だけではなく海外旅行に行ける、軽自動車ではなくスポーツカーが買えるなど、選択肢が広がります。
選択肢が増えると、楽しさを感じられますがイコール幸せかというとちょっと違うのです。混同してしまいがちですが、そこをしっかりと見極めなければなりません。

「モノが多いとそれだけ、自分をコントロールされてしまう」という言葉にも頷かされます。
ソファーがあると寝転んでダラダラする、ちょうどいいところにテレビがあってダラダラ見てしまう、そこにまたお菓子があってついつい食べてしまう。
モノや環境によって、自分の人生をどんどんコントロールされてしまうことになります。

私もかつて自分の生活習慣を変えたいと思い、自分の「意思・行動」を変えようとしたのですが、ことごとくうまくいきませんでした。
しかし、自分の部屋にある「行動を邪魔するモノ」を色々捨てたところ、驚くほど生活習慣が変わったのです。
本書を読んで、当時のことを思い出しました。



いかがでしたでしょうか、3つとも「モノ」と「幸せ」の関係について言及しています。
そして言いたいことは皆同じですね。
今回ご紹介した言葉が、幸せについて考え直すきっかけとなれば幸いです。



Zen Garden at Ryoan-ji
Zen Garden at Ryoan-ji / kevin.j

少し話は脱線しますが、、、
グラハム・ヒルの言うように、人は場所があればあるほどモノを増やしてしまうのだとすれば、場所が限られているからこそ有効活用するための知恵が生まれるという事。
そういった意味では、国土が狭い日本でこそイノベーションが生まれるのかもしれません。

歴史を振り返ってみても日本発祥のものは、限られた空間、少ないモノを実にうまく使っているのではないでしょうか。
例えば日本庭園。石や砂だけで山や川さえ表現してしまう技法には驚くばかりです。

目に見えないもので言えば俳句もそうでしょう。
五・七・五の限られた字数の中に季節感や心情さえ込めることができます。

さらには日本酒。特に純米酒と呼ばれる酒は、米と米麹のみだけで作られ、どの酒にも負けないほどの奥深い味わいを醸し出します。

他にも水墨画、弁当、日本刀なども挙げられますね。

そんな日本もいつしか、分厚いマニュアルが付いている多機能すぎる携帯電話を生産するようになり、日本の「禅」を学んだスティーブ・ジョブズによって作られたiPhoneによって市場を奪われてしまうことに。

なんとも皮肉な結果ですが、今こそ「限られた空間・モノを活用する事」を再認識するタイミングではないでしょうか。
物質至上主義が蔓延している今、幸せをつかむ鍵はもしかしたら日本が握っているのかもしれません。

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